結論: 賃上げの波は新卒だけのものではない。20代の転職市場にも波及している

ここ数年、新卒初任給の引き上げのニュースが相次いでいます。帝国データバンクの調査(2026年)では、2026年度の新卒初任給を引き上げた企業は67.5%にのぼり、大手企業では初任給30万円台の例も珍しくなくなりました。

このニュースを「新卒がうらやましい」で終わらせるのはもったいない話です。初任給の引き上げは、若手人材の獲得競争が激しくなっている証拠であり、同じ競争の力学は20代の中途採用市場でも働いています。つまり今は、20代が転職で年収を上げやすい環境なのです。この記事では、その背景と、年収アップ転職を実現する具体的なコツを解説します。

なぜ今、20代は年収を上げやすいのか

  • 若手の絶対数が足りない: 少子化で若手人材の供給は構造的に減っており、経験の浅い層でも「育てる前提」で採る企業が増えています
  • 初任給の引き上げが給与テーブル全体を押し上げる: 新卒の給与を上げた企業は、逆転を避けるために若手社員の給与も調整する必要に迫られます。この調整は中途採用の提示額にも波及します
  • 成長産業の採用意欲が高い: 転職市場全体では売り手市場が続くと同時に、業界による採用意欲の二極化も指摘されています(Indeedの2026年転職市場解説など)。伸びている業界を選ぶこと自体が、年収アップの近道になっています

一方で注意も必要です。市場が有利だからといって、誰でも自動的に年収が上がるわけではありません。上がる転職には共通の型があります。

年収が上がる転職の3つの型

型1: 業界を「給与水準の高い場所」に移す

同じ職種でも、業界の利益構造によって給与水準は大きく異なります。営業職なら扱う商材、事務職なら業界の収益性で、同じ仕事の値段が変わるのです。年収を上げたいなら、職種のスキルを持って給与水準の高い業界へ移るのが、最も再現性の高い型です。

型2: 経験に「値札がつく」タイミングで動く

中途採用は「何ができるか」への対価です。1つの業務を一通り回せるようになった、後輩指導を任された、数字で語れる実績ができた——こうした節目は、経験の市場価値が一段上がるタイミングです。逆に、入社数ヶ月での転職は給与交渉の材料が乏しくなりがちで、年収アップよりも環境の立て直しを優先する転職と割り切る判断も必要です。

型3: 提示額ではなく「賃金の伸び方」で会社を選ぶ

初任給や提示年収の高さだけで選ぶと、その後の昇給が緩やかで数年後に逆転される、ということが起こりえます。面接では「入社数年でモデル的にどんな昇給・昇格があるか」を確認し、入口の金額と伸び方をセットで比較しましょう。固定残業代の有無と時間数も、実質的な時給を左右する重要な確認点です。

年収交渉の基本

20代の転職でも、年収交渉は普通に行われます。押さえるべき基本は3つです。

  • 希望額は根拠とセットで: 現年収、市場相場、自分の経験の3点から希望レンジを組み立てます。相場観は、求人票の提示額を数多く見ることでしか養えません
  • タイミングは内定前後: 交渉の主戦場は、企業があなたを採りたいと決めた後です。一次面接から金額の話を押し出すのは得策ではありません
  • 金額以外の条件も交渉対象: 提示額が動かない場合も、等級や手当、入社時期などで調整の余地があることがあります

なお、現年収を偽って伝えるのは絶対にやめてください。源泉徴収票などで後から分かることが多く、信頼を根本から損ないます。

20代の年収アップ転職Q&A

Q. 未経験の業界・職種でも年収は上がる?

上がるケースはありますが、構造を理解しておきましょう。未経験転職は「経験の値札」がつかないぶん、入口の年収は控えめになりがちです。ただし、給与水準の高い業界へ未経験で入り、数年で経験者の値札を得る「二段ロケット」型なら、トータルでは大きく上がる可能性があります。目先の提示額と数年後の到達点を分けて考えてください。

Q. 転職回数が増えると不利になる?

回数そのものより、それぞれの転職に説明できる理由と積み上げがあるかが見られます。年収アップだけを理由にした短期の転職を繰り返すと、「またすぐ辞める人」と警戒され、かえって交渉力を失います。

Q. 今の会社で昇給を待つのと、転職と、どちらが早い?

一般に、社内の昇給は年単位の階段で、転職は一度の交渉で段差を飛べる仕組みです。ただし今の会社に明確な昇給・昇格の道筋があるなら、それを使い切ってから動くほうが高く売れることもあります。両方の時間軸を紙に書いて比べるのが確実です。

年収アップと引き換えにしてはいけないもの

年収だけを追う転職には落とし穴もあります。極端な長時間労働が前提の高給、実態と乖離した歩合の見込み額、経験が積み上がらない単純業務の高給などです。金額の裏にある働き方と経験の中身を必ず確認し、「[ゆるブラック企業とは? 見分け方チェック](/blog/yuru-black-miwakekata)」で紹介した「経験の密度」の視点と組み合わせて判断してください。年収は、キャリアという長い曲線の一点にすぎません。

まとめ: 相場を知る者が、交渉を制す

賃上げと若手不足が重なる今は、20代にとって数年に一度の追い風です。追い風を年収に変えるカギは、業界選び・タイミング・伸び方の見極め、そしてなにより相場を知っていること。相場観は一朝一夕には身につかないからこそ、日頃の情報収集が差になります。

相場観を養う一番簡単な方法は、求人を毎日見ることです。ジョブスワイプなら、スキマ時間に求人カードをスワイプするだけで、業界ごとの給与水準や条件の違いが肌感覚で蓄積されていきます。「自分の経験は今いくらで評価されるのか」を具体的に知りたくなったら、[ジブキャリの無料キャリア面談](/)へ。あなたの経歴の市場価値と、年収を上げる現実的なルートを一緒に描きます。

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