仕事をしているときに妊娠・出産でマタハラ被害にあったことってありますか?
私はあります。
女性の多い職場だったことも原因の1つにありますが、実はマタハラをしてくる上司の中には異性よりも同性のほうがきつい場合も往々にしてあります。
同じように妊娠・出産をする女性でも不妊治療のつらさは分かってくれません。むしろ『私はちゃんと産めたもん』とか『自分の妊娠期間中にはこんな風にしていたら大丈夫だったよ』などと親切なのか嫌味なのか分からないようなアドバイスまでしてくれる場合も。
本来は味方であってほしい同性のマタハラ事情をお話します。


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働く妊婦さんの敵!マタハラって何?
「マタハラ」とはマタニティー・ハラスメントの略で、働く女性が妊娠・出産をきっかけに職場で精神的・肉体的な嫌がらせを受けたり、妊娠・出産を理由とした解雇や雇い止めで不利益を被ったりするなどの不当な扱いを意味する言葉です。
私の場合は不妊治療で病院を通院している最中の出来事でした。
なので厳密にはマタハラではないかもしれません。しかし、不妊治療中に具合が悪くなったことや通院のために半休を取ったり、代わりに休日出勤に変えていたのが普通に妊娠出産をしている上司にとっては理解できなかったのでしょう。
ちなみに上司は女性でした。
そもそも不妊治療に対してあまりいいイメージがなかったみたいです。
今から10年以上前のことだからマタハラなんて言葉も知らなかったし・・・しょうがないのかな?確かに不妊治療=隠しておくものというイメージでした。
結局正社員からパートに変わることで病院に行く時間を取ることが出来るようになりました。
ほかにも第3子妊娠中に働いていた会社では責任のある仕事からはすべて外されてしまいました。妊娠中に妊娠糖尿病を患っていたので優しさだとは思いますが、仕事が大好きだった私にとっては『もう帰る場所はないんだな。辞めるしかないのかな』と思うのに十分な理由でした。
同性からのマタハラが多く感じる理由は?
マタハラには大きく分けて2種類あって、
妊娠をきっかけに仕事での降格や不本意な転勤・異動
もしくは、妊娠をきっかけに仕事がやりにくくなるような精神的・肉体的な嫌がらせ
があります。
同性のマタハラはどちらかというと嫌がらせが多くみられます。
その理由は大きく分けて3つです。
【マタハラの理由は妬み】妊婦をうらやましいと思う人がいること。
妊娠というのはとてもナイーブな問題です。
私も不妊治療中、授かり婚をしたという友達に『おめでとう』と言いながらなんで自分じゃないんだろうとめちゃくちゃ泣きました。でも、それを誰か友達に言ったりはしませんでした。
友達が多いほうでもなく、おしゃべりも上手ではないのでうまく愚痴や相談が出来ないタイプなんです。
鏡の前でちゃんと笑顔でおめでとうという練習をしていたこともあります。
心の中では妬み嫉みの気持ちがあったり、自分は子供要らないもんと言いながらも心の隅っこで本当にそれでいいのかな?自分の決心は正しいのかな?とふとした瞬間に悩む人もいるでしょう。
マタハラの理由は自分の経験に基づいて考えるから
産婦人科の先生も女性のほうが体重管理とか物言いが厳しくて、男性のほうが優しかったりしませんか?
妊娠中って女性は経験者としてのアドバイスをしたがります。
おばあちゃんだと
『昔はこんなに便利なものがなかったからもっと大変だったよ』とか『男の子を産んでこそ一人前の嫁だね』みたいなことを言われました。
そして同性から言われるほうが心にずきっときます。
男性だと『妊娠・出産の経験がないからそんなことが言えるんでしょう?』と心の中で批判できても同性のさらに妊娠・出産経験者から言われると『あれ?私が甘えているだけなのかな?』なんて思ってしまいがちです。
でも、経験則で語る人からすると、自分が経験したことがすべてなんですよね。
だから、気にすることはないんです。妊娠・出産は妊婦さんの数だけいろんなストーリーがあって、1つとして同じものはないんですから。
つわりだって病気じゃないというくらい軽い人もいれば、入院が必要な人だっています。
【マタハラの理由は会社の体制】同僚が産休・育休のしわ寄せを受けやすい。
私は妊娠中産休・育休(2か月程度)を取ろうと考えていた時がありました。
でも、小さな会社だったのでワタシが休んでいる間、同僚にすべての仕事をお願いしなくてはいけなくなります。それでもいいよ。3カ月くらい頑張るからおいでよと言ってもらっていましたが、妊娠糖尿病・高血圧の症状も出始め、いつまで働いていられるのか分からない状態に。
結局私は退職して代わりに新しい人を雇ってもらうことになりました。
もっと大きな会社だったら代わりの人を雇わずに産後の復帰を待ってもらえていたのかな?と思うこともありますが、また子育てが落ち着いたら面接を受けようと思っています。
産休・育休はもちろん取れて当たり前の義務です。それを心苦しく思う必要はないのかもしれません。
でも、やっぱり小さな会社・自営業のお店などでは1人が産休・育休を取ることで周りの従業員の方に負担がくる場合も少なくありません。
産休・育休を取るなって言っているわけではないんです。
でも、後輩が産休・育休を取るときに少し協力したり、自分がしてもらった優しいことを周りに返していけたらいいのになぁと思うんです。
子供を産む人にも産まない選択をした人も、何らかの理由がある人にも、仕事はみんなに平等でありますように。
誰かだけが得をして、誰かだけが我慢して、誰かがつらい思いをすることが1つでも少なくなることを祈ってやみません。
【経験談】妊活中や妊娠中に言われて辛かったこと。
- まだ若いのに不妊治療っている?(する必要あるの?)
- 不妊治療ってどうやるの?体外受精するの?人工授精?えーこわい!
- 私が妊娠したときは産休なんて取れなくて辞職せざるを得なかったのよ。
- つわりは病気じゃないから大丈夫。
- 私仕事しながら3人も産んでるんだから!1人目なんて余裕じゃん?
- もう少し運動したほうが安産になるよ。
- 産んでからのほうが大変なんだから!
- 妊娠は何があるか分からないからいつでも休んでいいように仕事こっちでもらっとくね。
- (過剰すぎるほど)しんどくない?大丈夫?横になってていいよ?
- ○○ちゃん女の子しか産めないお腹なのかな?(我が家は3姉妹)
もちろん嫌味ではなく本当に心配してくださっている方もいらっしゃいました。
でも、不妊治療ってどんなことしているの?子供は神様からの授かりものだよ?心配しすぎじゃない?と好奇心で根掘り葉掘り聞いてくる人や自分の妊娠出産と比べてくる人はなんでそんなにデリカシーがないんだろう?と思いました。
マタハラを気に病むことでお腹の赤ちゃんにまで影響が出ることも。
マタハラを我慢することでお腹の赤ちゃんや母体に影響が出ることもあります。
ホルモンのバランスが崩れやすい時期です。いつも以上に悲しく感じることだってあります。
そういう職場のトラブルは労務士連合会に相談することも出来ます。
妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメントに関するご相談は、お近くの都道府県労働局雇用環境・均等部(室)でも相談に乗ってもらえます。
どうか1人で抱え込もうとしないでくださいね。
