結論: 志望動機は「自分の軸」から書き始める
志望動機が書けないとき、多くの人は企業のことを調べ足りないのだと考えます。しかし本当の原因は、書く順番を間違えていることのほうが多いのです。
企業の情報から書き始めると、事業内容の要約に「魅力を感じました」と足すだけの文章になります。読み手には、他社にも出せる文章として届いてしまいます。正しい順番は逆で、自分がどんな仕事をしたいかという軸を先に決め、その軸に照らして会社を説明する。この順番にするだけで、志望動機は一気に書けるようになります。
志望動機に必要な3つの要素
採用担当者が志望動機から読み取ろうとしているのは、次の3点です。
- なぜこの業界なのか: 仕事の方向性が自分の関心と結びついているか
- なぜこの会社なのか: 同業のなかでその会社を選ぶ理由があるか
- 入社後に何をしたいか: 会社の仕事と自分の希望が噛み合っているか
このうち2番目が抜けると「業界のどこでもいい人」に、3番目が抜けると「入って何をするか考えていない人」に見えます。3つを一続きの話としてつなげることが、志望動機の完成条件です。
企業研究が浅くても書ける「30分の調べ方」
締切が近く、時間をかけられないときもあります。次の4か所を順に見るだけで、志望動機に必要な材料は揃います。
1. 採用サイトの「求める人物像」と「仕事紹介」(10分)
会社が公式に「こういう人と働きたい」と書いている場所です。ここに出てくる言葉は、そのまま志望動機で使ってよい語彙です。仕事紹介のページで、実際の業務の流れを1つでも具体的に拾ってください。
2. 求人票の業務内容(5分)
入社後にやる仕事がもっとも具体的に書かれているのが求人票です。3番目の要素(入社後に何をしたいか)は、ここから作ると外れません。
3. 会社の事業内容ページ(10分)
主力の商品やサービス、顧客が誰か(企業向けか個人向けか)を確認します。上場企業なら投資家向けの資料に、今後力を入れる分野が書かれていることもあります。数字や計画を引用するときは、必ず公式の情報だけを使ってください。
4. 社員のインタビュー記事(5分)
働く人の言葉は、志望動機のなかでもっとも具体性を出せる材料です。「〇〇というお話を読み」と書けるだけで、調べた形跡が伝わります。
説明会や面談に参加できるなら、その場で聞いた話が最強の材料になります。面談の使い方は「[カジュアル面談とは? 面接との違いと注意点](/blog/casual-mendan-chui)」にまとめました。
志望動機の型
書く順番は次の4ブロックです。
- 結論: 志望する理由を1文で言い切る
- 軸の説明: なぜそう考えるようになったか(自分の経験)
- 会社を選ぶ理由: その軸に対して、この会社が合っている点(調べた事実を1つ以上)
- 入社後の希望: 求人票の業務と結びつけた、やりたいこと
自分の軸が定まっていない場合は、志望動機より先に自己分析に戻るほうが早いです。手順は「[自己分析のやり方を5つの手順で解説](/blog/jiko-bunseki-yarikata)」にあります。
例文1: 新卒・メーカーを志望する場合
私が御社を志望する理由は、長く使われるものづくりに、顧客の声を反映する形で関わりたいと考えているからです。大学の研究室で地域の商店向けに販促物を作る活動に参加し、試作を持ち込んで意見を聞き、直して持ち込む過程で、使う人の言葉が形を決めていく面白さを知りました。御社の採用サイトで、開発の担当者が営業に同行して顧客先で意見を聞く体制を取っていると伺い、この進め方に強く惹かれました。入社後は、まず既存製品の担当として顧客の要望を集めるところから経験を積み、改良の提案ができる担当者になりたいと考えています。
例文2: 転職・事務職から同業の事務職へ
御社を志望する理由は、業務の改善を現場の担当者が提案できる環境で働きたいと考えているためです。前職では請求業務を担当し、手順の見直しで作業日数を縮めた経験がありますが、改善の提案が制度として受け止められる形にはなっていませんでした。御社の求人票に、業務の効率化提案を評価項目に含めると明記されていたことが、応募を決めた理由です。入社後は、まず既存の業務を正確に引き継いだうえで、経験のある請求と支払いの周辺から手順の整理に取り組みたいと考えています。
使い回しを避けるコツ
複数社に応募すると、志望動機の使い回しは避けられません。全文を書き直す必要はなく、ブロック単位で入れ替えるのが現実的です。
- 1と2(結論と軸): 基本的に全社共通で使える
- 3(会社を選ぶ理由): 必ず会社ごとに書き換える。ここが使い回しだと一発で伝わります
- 4(入社後の希望): 求人票の業務内容に合わせて書き換える
つまり、書き換えるのは後半の2ブロックだけです。応募のたびに30分の調べ方を回せば、後半は毎回新しく書けます。
志望動機のNG例
- 待遇だけを理由にする: 給与や休日の魅力は本音であっても、志望動機の中心に置くと「条件が良ければどこでもよい」と読まれます
- 他社を下げて持ち上げる: 同業の他社を批判して自社を褒める書き方は、印象を損ねます。良いと思う点だけを書けば十分です
- 「成長したい」で終わる: 成長は自分の目的です。会社にどう貢献するかまで書いて初めて志望動機になります
- 調べればわかる事実の羅列: 事業内容の要約だけでは、志望の理由になりません。必ず自分の軸と結びつけてください
まとめ: 順番を変えれば、志望動機は30分で書ける
志望動機は、自分の軸から書き始め、調べた事実で会社を選ぶ理由を補い、求人票の業務で締める。この順番を守れば、企業研究に時間をかけられない状況でも形になります。書けないと感じたら、文章を練る前に順番を疑ってください。
求人票を読む量が増えるほど、3番目と4番目のブロックは書きやすくなります。ジョブスワイプなら、スキマ時間に求人カードをスワイプしながら業務内容を読み比べられるので、志望動機の材料が自然にたまっていきます。書いた志望動機が独りよがりになっていないか不安なときは、[ジブキャリの無料キャリア面談](/)でプロの目を通してみてください。
